記事「古典文学」 の 検索結果 231 件
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古典文学探訪124 「伊勢物語・東下りの段」2 涙でふやけた乾飯・夢の中でも妻に会えず「男」の作った「かきつはた」を織り込んだ和歌ですが、掛詞・枕詞・序詞・縁語などの修辞が用いられ、技巧を駆使した、盛りだくさんなものであり、とても即興で詠めるようなものではありません。 「唐衣を着..
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古典文学探訪123「伊勢物語・東下りの段」1 自分を必要のない者と思い込んで都落ち 即興の折句歌今まで何度となく授業で扱ってきた教材であり、今年も1年の授業で取り上げました。この東下りの段は「伊勢物語」の大抵の段がそうであるように、「昔、男ありけり」という一文で始まっています。むろん、この「男..
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京都探訪71 古典文学探訪122 祇園祭・黒主山 復興と鎮魂の願い・「古今集」の大友黒主の歌写真は祇園祭の宵山の「黒主山」を撮ったものです。提灯にも「黒」の字が入っているのが見えます。 今年京都の祇園祭が初めて仙台七夕まつりに出張し、復興と鎮魂の願いを込めて、祇園囃子保存会のメン バ..
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京都探訪70 古典文学探訪121 祇園祭・役行者山 「日本霊異記」における役行者写真は祇園祭の宵山の役行者山を撮ったものです。何十年ぶりかで見に行きました。宵山に行ったのは宇治に移り住んで初めてであり、かつて大阪に住んでいた時、同僚と出かけたことがありますが、その時以来です。祇..
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古典文学探訪120 「大鏡・道隆の酒好き」3 飲み友達が極楽で待つとの道隆の最後の言葉は虚構酒を飲むことに執着する心を道隆は死ぬまで忘れなかったと、その最期の姿を語り手は述べます。道隆がどっとご重態になられてお亡くなりになられた時、人々は西の方角に道隆を向かせ申し上げて、「念仏を唱えなさい..
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古典文学探訪119 「戦国策・蛇足」 余裕があり過ぎて、蛇の絵に足まで描いてしまう失敗譚「蛇足」の語の由来譚であり、一年の漢文の授業で扱いました。短くまた平易な内容なので、漢文を習い出して間もない生徒が読むのに適切な教材です。 楚の国に神官がいたという始まりです。ある時、その使用人..
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古典文学探訪118 徒然草「高名の木登り」の段 緊張が緩んだ後に生まれる油断「徒然草」でもう一つ「高名の木登り」の段を一年の授業で扱いました。これも「ある人、弓射ることを習ふに」と同様、短い段ですが、人間の心理を巧みについた話になっています。 まず木登りの名人である「高..
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古典文学探訪117 徒然草「ある人、弓射ることを習ふに」の段 一瞬のうちにある油断の心徒然草の「ある人、弓射ることを習ふに」の教材を一年の授業で扱いました。ある人が弓を射ることを習う時に矢を二本持って的に向かいますが、弓の師匠が、初心者は二本の矢を持ってはいけないと注意します。二本持..
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古典文学探訪116 「大鏡・道隆の酒好き」2 道長に荒々しく起こされる泥酔していた道隆御賀茂詣での日は、下鴨神社の前庭で三度の御神酒を杯で酒を差し上げる慣わしになっていますが、その時は神主たちも道隆の酒好きをよく知っており心得たもので、大きな杯で御神酒を差し上げますし、三度は当然のこ..
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古典文学探訪115 「大鏡・道隆の酒好き」1 飲み友達を自邸からしらふで帰さない道隆「大鏡」の「道隆の酒好き」を三年の授業で扱っています。「大鏡」はいわゆる「歴史を写す」鏡物と云われる歴史物語の最初の作品であり、大宅世継や夏山繁樹という二百才近い老人たちが昔こういうことがあったと..
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古典文学探訪114 「長恨歌」5 かつて宮殿で2人だけで誓い合った言葉仙女となっている楊貴妃の美しい顔は寂しげで、涙がとめどなく流れ落ち、梨の花の一枝が、春、雨にしっとりと濡れているようだったと詠まれています。楊貴妃の白く美しい顔に涙が流れる様子を、春雨に濡れる一枝の..
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古典文学探訪113 「長恨歌」4 仙女となった楊貴妃をようやく探し当てた方士「長恨歌」では楊貴妃の死は簡単に描写されており、すんなりとした弧を描いた美しい眉を持つ楊貴妃が皇帝の馬前で死んだと詠まれているだけです。史実では兵士たちの要求に従わざるをえなかった玄宗皇帝が梨..