記事「古典文学」 の 検索結果 231 件
-
古典文学探訪100 「源氏物語・若紫との出会い」4 自分を露にたとえる尼君の和歌・励ます女房の和歌若紫は子供心にも、やはり泣いている尼君をじっと見つめて伏し目になって下を向きますが、その下を向いたところに、こぼれかかっている髪がつやつやと美しく見える(むろん、のぞき見をしている源氏の目にそうい..
-
古典文学探訪99 「源氏物語・若紫との出会い」3 若紫を残して先に死んでゆくことが心配な尼君藤壺の宮は桐壺帝の后であり、桐壺帝が寵愛していた亡き桐壺の更衣に顔がよく似た女性です。桐壺帝は桐壺の更衣だけを愛し、二人の間に生まれたのが光源氏ですが、源氏がわずか数え年3歳の時に桐壺の更衣は亡くな..
-
古典文学探訪98 「源氏物語・若紫との出会い」2 かねてから思いを燃やしている女性によく似た美少女若紫の世話役の少納言の乳母も、女の子(若紫)と同様、逃げた雀の子のことを心配しています。だんだん可愛らしくなっていたのに、どこへ行ったのだろう、烏などが見つけたら大変だと言って、探しに行きます。こ..
-
古典文学探訪97 「源氏物語・若紫との出会い」1 加持祈祷をしてもらいに来ている源氏がのぞき見2年の古典の授業で「源氏物語」の冒頭部分と「若紫」の巻のうち、光源氏が若紫(後の紫の上)と出会う場面を扱いました。これらの箇所は教科書の定番であり、どの出版社のものでもほとんど載っています。 ..
-
古典文学探訪96 司馬遷「史記」・「鴻門之会」4 ひそかに脱出し、命拾いする劉邦結果的に劉邦の部下の樊噲登場とその活躍によって、劉邦の暗殺が阻止された形です。劉邦が最終的に天下を取れたのは、劉邦自身、粗暴な面があったものの、張良、蕭何、韓信、樊噲など..
-
古典文学探訪95 司馬遷「史記」・「鴻門之会」3 飲みっぷり、食べっぷりの豪快さ・弁舌の巧みさ樊噲が飲み干した酒は「1斗」とありますから、2リットルの量です。それを一気に飲み干したわけですから、急性アルコール中毒になりかねませんが、ここも誇張された表現ではないかと思われます。項..
-
古典文学探訪94 司馬遷「史記」・「鴻門之会」2 剣舞による新たな暗殺計画・豪傑の登場項羽が劉邦暗殺の決断をしないのに業を煮やした范増は宴席から出て、項羽の従兄弟の項荘を呼び出し、今の状況を説明します。范増は項荘に向かって項羽がむごいことのできない人柄だと言いますが、これはどうでしょ..
-
古典文学探訪93 司馬遷「史記」・「鴻門之会」1 項羽に謝罪に来る劉邦・宴席での劉邦暗殺計画司馬遷の「史記」の「項羽本紀」の中にある「鴻門の会」を漢文の授業で扱いましたが、今回で何度目になるでしょうか。この部分は大抵の出版社の教科書に載っています。 戦国時代を統一したのが秦の始皇帝で..
-
古典文学探訪92 菅原孝標女「更級日記」6 もう少し信仰心を持っておけばよかったと今になって後悔14歳の頃の「私」の心を占めているのは物語のことばかりであり、特に光源氏の恋人の夕顔、薫大将の恋人の浮舟に憧れ、今は美しくない自分だが、年頃になったら夕顔や浮舟のように容姿もよくなり、髪はきっと長く..
-
古典文学探訪91 菅原孝標女「更級日記」5 源氏物語全巻を手に入れ天にも昇る気持ち「私」のおばが地方から上京してきます。「私」は久しぶりにおばに会いに行きますが、おばが「私」を見たのは「私」が小さい頃だったのでしょう、「たいそう、かわいらしく成長したね。」と懐かしがって珍しそうに..
-
古典文学探訪90 菅原孝標女「更級日記」4 藤原行成の娘の死に対する悲しみ・母が本探しに奔走「私」は14歳の時に、乳母の死に遭い、さらに侍従の大納言の娘の死を知って、悲しみを深めます。侍従大納言とは藤原行成のことであり、達筆家で三蹟の一人に数えられています。その娘は藤原道長の息子の長家と1..
-
古典文学探訪89 菅原孝標女「更級日記」3 乳母を喪った衝撃で物語を読みたいという気持ちも失せる「更級日記」で「門出」の次に取り上げたのは、「物語」の部分であり、すでに作者である「私」は帰京しており、翌年の春になっています。「私」は数え年で14歳です。京都では疫病がはやり、死者が続出しており、..