記事「小説」 の 検索結果 36259 件
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第55話 武勲詩の顛末-16フランス・バイエルン軍と連合軍とは、人員や装備の量的な面について見れば、前者の方がやや優っていた。しかし、その質においてはそうではなかった。マールバラの軍は長期にわたる行軍をおこなったにもかかわらず..
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第55話 武勲詩の顛末-15一七〇四年四月末、ヴィラール元帥がセヴェンヌで活動を開始したのと同じ頃に、連合国側のイギリス軍総司令官マールバラ公爵ジョン・チャーチルが、ウィーン攻略を阻止するための策略を練り始めた。連合軍からのオ..
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第55話 武勲詩の顛末-14一七〇四年の春から夏にかけてスペイン継承戦争は新たな展開を遂げていた。 それ以前、ヴィラール元帥がフランス軍の総司令官であった時、フランス軍はウィーン攻略まであと一歩というところに迫ることに成功..
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第55話 武勲詩の顛末-13部屋の扉がかすかな音をたてて開いた。ロランが異変に気付いたのは背後からの短剣の一撃を受けた後であった。 「どうです。この一撃は千発の弾丸より効き目があるでしょう。」 泥酔していたはずのエガリエ..
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第55話 武勲詩の顛末-12メレは四人を城の警戒に当たらせた。てきぱきと動き回るメレにカトリーヌは声をかけられずにたたずんでいた。ラスパルはもう一度メレに言った。 「ちょっと可哀相じゃないか。後はおれが仕切るから、おまえはカ..
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第55話 武勲詩の顛末-11「おれにとって?」 ロランは“英雄”と言われて悪い気はしなかった。彼の表情が少し緩んだのを見て、男爵は得意げに話し出した。 「ええ、我々ユグノーだけで国王に仕える新しい部隊を編成するのです。その..
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第55話 武勲詩の顛末-10城門の少し手前で馬車は止まった。そこから城門までは上り坂になっており、一頭立ての小さな馬車では登り切れない様子であった。馬車からは立派な身なりの男と二人の女性が降りてきた。 「他にあやしい連中はい..
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第55話 武勲詩の顛末-9ロランとメレはエーグ・モルトから戻ると、彼らが最も信頼している四人の若者を連れてすぐにヴァランス城へと向かった。一番年長のラスパルは二十八歳で、元々ジャン・カヴァリエの部隊にいたが、和平交渉の方針..
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第55話 武勲詩の顛末-8「あなたは私の言おうとしていることを全く理解しておられない。カミザールの主要な指揮官は、現にパン屋で働いていたこともあれば、畜産に携わっていたこともある。皆、農業や手工業に従事していた者たちばかりだ。..
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第55話 武勲詩の顛末-7「いったい何の疑義があるというのか。我々が信仰の自由のために国王軍と二年に渡って必死の戦いを続けていることは、立場を異にする様々な新聞が報じている通りだ。」 「そこは問題ではない。」 「では、ナー..
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第55話 武勲詩の顛末-6旅の商人といった風体をしていても、それが仮の姿だということはディマンシュにはすぐに見てとれた。何より物腰や表情が商人らしくなかった。一見好々爺に見える男だが、他人が常に自分をよけて歩くことを前提とす..
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第55話 武勲詩の顛末-5エーグ・モルトは地中海に近い港町で、ニームから馬を飛ばせば一日で行ける距離にある。町の名前は「死の水」という意味のラテン語に由来している。町の周囲にはよどんだ水の沼沢地が広がり、地中海へは運河を通じ..