記事「小説」 の 検索結果 36259 件
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第54話 停戦の果実-10シャルロットたちが教会の礼拝堂でリヴェール神父を捜している時、彼はモンペリエにいた。 「私を呼び出された用件は何でしょう。」 「リヴェール神父様ですね。こちらにどうぞ。」 役人に案内されてリ..
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第54話 停戦の果実-9早朝の光が部屋の窓から差し込んでくるとアルは目を覚ました。晩春の夜は短かったが、野営を体験してきたアルにとっては夜明けと共に起きるのが習性となっていた。隣にいるシャルロットはまだ静かに眠っていた。初..
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第54話 停戦の果実-8アルは自分たちの結婚式を取り仕切ってくれたディマンシュとあまりに違う先日のディマンシュを思い出して心が沈み、つい溜息をついてしまった。 「今度はなあに?」 シャルロットの口調に非難めいた感情が..
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第54話 停戦の果実-7アルは二年前には窓からこっそりと忍び込んだシャルロットの寝室に、今度は堂々と扉を開けて入っていった。中ではシャルロットが薄物一枚のなまめかしい部屋着に着替えて寝台に腰をかけて待っていた。 「それに..
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第54話 停戦の果実-6食事を終えた後、アドルフはそっとアントワーヌに声をかけた。 「アントワーヌ、お前のおかげで父上の繰り言から逃れることができたよ。」 「ぼく、本当のことを言っただけなんだけど…。」 「それでよか..
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第54話 停戦の果実-5アルはアドルフに挨拶をしたが、アドルフはそれを目礼で返しただけであった。いや、目礼というよりも睨み返したという方が正確であった。食事中アドルフは終始苦々しい顔をしていたが、アルはそんなアドルフの態度..
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第54話 停戦の果実-4隣室の扉からシャルロットがアントワーヌを連れて登場した。 「お父さま、ご機嫌麗しゅう。」 アントワーヌは幼い子どもから一人前の少年になろうとしていた。自分の感情をむき出しにはせず、期待される役..
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第54話 停戦の果実-3「アルベール・ブライユ様! ようこそおいでくださいました。」 園丁はアルの姿を見るなりかしこまった口調で挨拶をし、すぐに門を開けた。屋敷の入り口では執事がやはりアルだとわかると扉を開けてくれた。 ..
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第54話 停戦の果実-2「緊張するなあ…。」 アルはルール家の屋敷の門の前にやって来た時、ここを最後に訪れた時の記憶が蘇ってくるのを押さえることができなかった。長年にわたって懸命にラテン語を身につけるために勉強し、ようや..
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第54話 停戦の果実-11685年、フランスの絶対君主ルイ十四世は、信教の自由を定めたナントの勅令を廃止し、カトリック以外の宗教を禁じた。迫害に耐えかねたユグノーによって「カミザールの乱」が引き起こされ、南フランスのセヴェ..
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幕間の笑劇 第四場 家族会議知事の兵士が逃げ去ったのを見てガスコン青年隊も解散した。しかし、副官と二人の隊員だけはその場に残った。 「お父さん、お母さん、おけがはありませんか。」 「マルディ、来るのが遅すぎだよ。」 「こ..
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幕間の笑劇 第三場 ガスコン青年隊登場ブライユ商会の店の周囲にはいったい何が起こったのかとボルドー市民たちの人だかりができていた。兵士たちはそうした見物人を乱暴に追い散らし、綱で縛った老夫婦をこれみよがしに引っ張っていった。 「なんて..