記事「本」 の 検索結果 110258 件
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長谷川英祐『働かないアリに意義がある』の書評3:なぜ個体(人)は社会のために働きやすいのか?『第三章 なんで他人のために働くの?』は、W・D・ハミルトンの血縁選択説(血縁淘汰説)によって、自分の遺伝子を残さずに働いてくれる真社会性昆虫の個体がなぜ生まれるのかを説明している。女王アリとその子の..
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長谷川英祐『働かないアリに意義がある』の書評2:みんなが一斉に働き者になる事の何が問題か?なぜアリの社会集団の中に働かない個体がいるのかの最も簡単な説明は、『余剰労働力(バッファ)の確保』のようだ。エサを探索する仕事に全てのアリが出払っていれば、そのエサを回収する仕事に回れるアリの数が減っ..
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長谷川英祐『働かないアリに意義がある』の書評1:真社会性生物が構成する階層・役割のある社会人間は自分や家族の生活のために働いているが、間接的な貢献・結果が多いにしても、社会全体のためにも働いている。『社会のために働いている・日本国憲法には勤労の義務がある』という大義名分を口に出すことは少な..
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新田次郎『孤高の人 上・下』の書評4:“不死身の加藤”の槍ヶ岳・北鎌尾根での最期小説『孤高の人』では、園子と花子という二人の女性を巡る加藤文太郎の恋愛も描かれ、そこに加藤のことを尊敬して慕って弟子のように加藤の登山を真似ていく宮村健(みやむらたけし)が加わってくる。洗練された知的..
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新田次郎『孤高の人 上・下』の書評3:“冬山の自然の厳しさ”と“世俗の人間関係の難しさ”小説内の加藤文太郎の登山は一流の域に達してはいくが、徹頭徹尾、誰にも学ばず誰とも一緒に登らない登山であり、その単独行は『山では自分以外の何ものをも頼ることはできない。自分独りであればどんな状況でも死ぬ..
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新田次郎『孤高の人 上・下』の書評2:社会人登山家の嚆矢となった加藤の友人関係と孤独感漁師町の兵庫県美方郡浜坂町で産まれた加藤文太郎は、元々は海・泳ぎに親しみを持っていたが、18歳から独自に山登りを実践しはじめ、20歳の段階で和田岬の寮を朝早くでて、横尾山、高取山、菊水山、再度山、摩耶..
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新田次郎『孤高の人 上・下』の書評1:驚異的な脚力と精神力で登山に臨む“単独行の加藤文太郎”登山小説(山岳小説)を多く書いている新田次郎の作品では、『槍ヶ岳開山』の書評を書いたが、『孤高の人』もまた加藤文太郎(かとうぶんたろう,1905-1936)という実在の登山家をモデルにして書かれた小説..
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百田尚樹『モンスター』の書評:“醜貌”と“美貌”の両極から描く社会と人間(男女)の不条理劇百田尚樹氏の作品は初めて読んだが、“女性の容姿の美醜・外見と内面・美容整形”という一連のテーマを取り上げた『モンスター』は、エンターテイメント小説として最後まで読ませる物語としての面白さはある。 ..
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マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評6:サンデルの思想と現代の共同体の連帯前回の記事の続きになるが、目的論的な世界観を持つアリストテレスは政治についてもその目的を問い、『政治的共同体は何のためにあるのか?』という目的性の遂行にこそ正義があると考えるのだが、こういった政治理解..
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マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評5:ロールズの平等主義の正義とテロスJ.ロールズは彼以前の政治哲学や倫理規範において仕方が無いことや運命として見過ごされていた『道徳的恣意性(遺伝や身分、家庭、民族など偶然の要素による有利・不利)』をできるだけ縮減して無くそうとすること..
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マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評4:カントの定言命法とロールズの正義論インマヌエル・カント(Immanuel Kant, 1724-1804)は外部の条件や他者の要求に従う『他律』ではなく、自分が定めた格律(行為規範)に従って行動する『自律(オートノミー)』こそが、真の..
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マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の書評3:徴兵制と志願兵制(労働市場)の倫理学前回の記事の続きになるが、政府への服従を嫌う個人主義が根づいていたアメリカの北軍の勢力圏では『徴兵』は余り有効に機能せず、20万7千人に徴兵命令を送付しても、大半は逃亡するか障害申請で兵役免除を願い出..