記事「現代美術」 の 検索結果 572 件
-
那覇の沖縄県美での「詩人吉増剛造・涯テノ詩聲(ウタゴエ)」展オープニングに出席しましたゆく春の 耳掻き耳になじみけり (久保田 万太郎) 面白い句ですね。俳人の小澤實氏が蕪村の「ゆく春やおもたき琵琶の抱きごころ」を挙げて、「琵琶」をずっと軽くしていくと「耳掻き..
-
掛け軸を祇園南海の書に+DIC川村記念美ではブリジット・ライリー展です春風や 公衆電話 待つ女 (吉岡 実) 現代詩人の吉岡さん、詩はアヴァンギャルド派でしたが、俳句は庶民の暮らしの哀感を滲ませたシブい作が多いです。この句など、まさに昭和の風景、ですね..
-
シス書店ではN・リボー「マルドロールの歌」展+日仏では松本春崇「家縛りプロジェクト」シンポでした濡れたまふ 弥勒も宇陀の 花じまひ (飴山 實) 奈良の室生寺を訪ねる際に乗ったバスの車窓から目の前に見えるのが、川に面した30ⅿの巨岩に彫られた摩崖の弥勒菩薩です。..
-
白洲次郎・正子の武相荘を訪ねます+美術家の福田尚代さんトークに参加IN町田市民文学館東京の 海ぬらしをり 菜種梅雨 (松本 邦吉) 菜種梅雨は、三月中旬から四月にかけて菜の花の咲くころに降る長雨をいいます。ちょうどこれからのものでしょうが、幸い今週は気象情報による..
-
詩人たち、小石川植物園での梅見の会+加納光於さんの《平家物語》逍遥展、オープニングでした紅梅の 紅の通へる 幹ならん (高濱 虚子) 紅梅を詠んだ虚子の句ですが、虚子先生、時折みょうに形而上学的な?発想を示すことがあります。この句もそうでしょう。「紅」が通う梅の幹、と..
-
会田誠「GROUND NO PLAN」展、愉快です砂みちに 月のしみ入る 二月かな (久保田 万太郎) 二月の冬の夜道、舗装されていない砂の道に、真冬の月の光が「しみ入」っている光景ですね。これはきれいな句です。二月の月、真冬とはい..
-
S・ライヒの「ドラミング」に挑戦のダンス「DOPE」、ゲネプロを観ました+清原啓子版画作品集が到着何がなし こころ遣ひや 雪の宿 (井月) 信州伊那谷の放浪俳人・井月(せいげつ)は1822年に生まれて1887年に亡くなりました。世間では「乞食」井月と言われながら、ピュアな詩情をふ..
-
熊谷守一展、竹橋の近美で開催中+笠井叡さんの大著を頂戴しました限りなく降る雪 何をもたらすや (西東 三鬼) 22日月曜に東京に降り積もった大雪、6日めになってもまだ溶け切らずに残雪がアイスバーン状態、困ったものです。新興俳句の三鬼にしては素直..
-
足利市美での吉増剛造展、最終日のイベントに参加しました冬日柔か 冬木柔か 何(いづ)れぞや (高濱 虚子) 虚子にこんな句がありました。冬枯れの木に冬の柔らかな陽射しが注いでいる情景でしょう。虚子の句、新鮮な語法を用いるのは「さすが」で..
-
八王子市夢美術館では銅版画家・清原啓子の没後30年展、瞠目しました。オリオンの 妹として きみありぬ (山中 智恵子) 歌人の山中智恵子が残した唯一の句集『玉すだれ』からです。その短歌作品は、神話性や形而上学性を色濃く刻んだものでしたが、この句でも..
-
吉増剛造さん、空間現代とのヨーロッパ公演レポート+十田撓子さん詩集『銘度利加』が誕生です門内の 敷石長き 寒さかな (芥川 龍之介) 師走を迎えて、寒さが厳しくなってきました。帰宅して門をくぐって玄関まで寒波が身に沁みます。玄関までの敷石が長く感じられる、というの..
-
静嘉堂文庫美術館では明清絵画展+彫刻家・森堯茂さんが逝去、残念です。庭箒 ささくれたつや 年の暮 (北園 克衛) 師走にはまだ少し早いのですが、「年の暮」を詠んだこの句を偶々見つけました。作者は、なんとモダニズム詩人として知られる北園克衛です。唯一..