記事「現代美術」 の 検索結果 572 件
-
西洋美術館のコロー展はお薦めです+工藤幸雄さんとのお別れ夏雲や 鷲(わし)ゐて 鷲の琥珀の眼 (富澤 赤黄男) 東京はまだ梅雨が明けないというのに今日など異常な暑さです。早く梅雨明けになり、この句に詠まれるような、しっかりした夏雲の..
-
日本近代文学会では佐藤春夫論と中上健次の折口受容+ルシアン・フロイド、気になります。七夕や 髪ぬれしまま 人に逢ふ (橋本 多佳子) 多佳子は大正時代、杉田久女に師事して俳句を始めます。その後高浜虚子に学ぶも、戦後になって山口誓子がより現代俳句のテイストを強く持つ「天..
-
ブリヂストン美術館では岡鹿之助展、素晴しい!+伊丹万作の映画「国士無双」鑑賞ララララと 朝鮮唄や 夏柳 (高浜 虚子) 間を置かずまた虚子先生に登板願いましたが、この鬱陶しい梅雨の気分を吹っ飛ばすのにふさわしいこんな句を見つけたからです。朝鮮の民謡の歌..
-
ターナー賞展の森美術館+吉増剛造と今福龍太in蔵前・空蓮房まひまひや 雨後の円光 とりもどし (川端 茅舎) なにやら梅雨入りも間近という空模様です。この句はカタツムリを詠んだもの。円光とは仏の背後の光の輪、つまり後光を言います。雨が降っ..
-
マルセル・デュシャンの「アンフラマンス」概念再考+酒井忠康著『若林奮 犬になった彫刻家』百代(はくたい)の過客(くわかく) しんがりに 猫の子も (加藤 楸邨) 「猫の子」は晩春の季語。猫好きだった楸邨氏、たくさんの猫の句を詠みましたが、これなど含蓄深い一句です。「月日は百..
-
「マティスとボナール」展は川村記念美+中西夏之新作展は松涛です蝶追うて 春山深く 迷ひけり (杉田 久女) 久女は明治23年生れ。近代の女性俳人を代表するひとりです。当時の女性俳人は、夫や家との確執から表現を磨いていったケースが多いのですが、久女..
-
王羲之の「蘭亭序」展、名筆を鑑賞します+モーチーバ・ヴィデオは面白い!春の夢 みてゐて 瞼ぬれにけり (三橋 鷹女) 藤原定家の名歌「春の夜の夢の浮橋」ではありませんが、「春の夢」というのはどこかロマネスクな幻想味を帯びたものです。ふと眼を覚ますと、涙で瞼..
-
若林奮「VALLEYS」展+安楽寺えみ写真展+翔子、稲川方人を歌う酒の燗 此頃春の寒きかな (夏目 漱石) 暦のうえでは春というのにまだまだ寒い毎日です。毎年の晩冬に誰もが感じるその季感を漱石も句に詠んだわけですが、面白いのは燗酒を出しているところ。..
-
ヤン・ファーブル演出「死の天使」を観ました+武満徹の対談集が文庫化水仙に とどかざる日の 暮れにけり (加藤 楸邨) 春の到来も近くなり、日脚も少し伸びたように感じられます。しかし冬の光はやはりまだ弱いもの。ヴェランダの水仙の鉢には(句の詠まれた..
-
多和圭三新作展+映画「インファナル・アフェア」を観ました+『現代詩大事典』誕生冬ふかむ 父情の深みゆくごとく (飯田 龍太) 冬がしんしんと寒さを募らせて世界を真冬のものにします。その季節の移り行きの実感を父親の愛情が深まり行くようだ、と謳うのです。これは実に味わ..
-
葉山館の「プライマリー・フィールド」展+原美術館ではピピロッティ・リスト「からから」展水洟(みずばな)や 仏具をみがく たなごころ (室生 犀星) 「水洟」という季語を用いた句では、犀星の友人だった芥川龍之介に「水洟や鼻の先だけ暮れ残る」があって、こちらはかなり人口に膾..
-
ダニ・カラヴァンによるベンヤミン追悼オブジェ+ジョセフ・ナジと『オルレアンのうわさ』貧乏な 儒者とひ来(きた)る 冬至哉 (与謝 蕪村) 冬至到来も近くて、日脚がうんと短くなりました。冬至を詠んだ句でもっともユニークなのはこの蕪村の詠作でしょう。蕪村は京の町屋に..