記事「現代美術」 の 検索結果 572 件
-
若林奮「DAISY」展を観ました+平出隆『遊歩のグラフィスム』の思考狂院の 冬の青藪 日は正午 (中村 草田男) 冬の真昼に、草田男は精神病院の脇を通り過ぎたのでしょう。その庭には藪がちらりと見え、その青さが眼に焼きつきます。物皆枯れる真冬に、狂院の青..
-
吉増さんご母堂悦さんの本『ふっさっ子剛造』誕生+建築のシュルレアリスト・キースラー川蟹の しろきむくろや 秋磧(あきがわら) (芝 不器男) これは四国は愛媛県の南予地方を流れる広見川の河原が舞台です。この川の流れる盆地の村・松丸に不器男は暮します。秋の一日、久しぶり..
-
久万美術館の森堯茂展がオープンです+GOZO・CINEの新作「鏡花フィルム」秋刀魚焼く 烟(けむり)の雨となりにけり (久保田 万太郎) 隣家では昼食の食卓に供する秋刀魚を焼いています。煙突?からその煙がうっすらと立ち昇ります。と、折からの雨。ひんやりとした..
-
工藤幸雄詩集『不良少年』の反響+豊田市美のψ(プサイ)の亡霊次々に 薔薇は咲きつぎ 秋に入る (長谷川 櫂) 句集『初雁』から。ニュージーランドの薔薇園での連作の一句。薔薇は本来は夏の季語ですが、こういう使用法もありました。昨今の空模様、雲が..
-
千葉市美の若冲展の池大雅+川端康成ゴシップ話子規忌とも 父に告げなく かしづきぬ (芝 不器男) 9月19日は俳人の正岡子規が明治35年に亡くなった際の祥月命日。よって子規忌(糸瓜忌など他の呼称も)とはこの日です。子規を慕う..
-
美術家・蔡國強と振付家・Ph・ドゥクフレ+故佐藤真監督追記書(しょ)に倦むや 蜩(ひぐらし)鳴きて飯遅し (正岡 子規) 前回と同様、晩夏の象徴であるヒグラシゼミを詠んだ句です。根岸の子規庵の周辺でも当時はまだ木々が多くて蜩の声はよく聞こ..
-
トヨダ・ヒトシ「スプーンフル・リヴァー」上映会+上野のお山の「金比羅」と「五山禅」展夏痩(なつやせ)や とる筆さへも 仮名まじり (井上 井月) 前回に引き続き今日も信州は伊那谷の「乞食井月」に登場願いました。暦は九月に替わってやっと猛暑も退散してくれたようです。わ..
-
久万美術館の森堯茂・彫刻展のご案内よき水に 豆腐切り込む 暑さかな (井上 井月) 井月は「せいげつ」と読みます。井戸に映る月影、という風雅な命名。さて、処暑を過ぎて9月も近いというのにこの残暑ですから、この夏らし..
-
アンリ・ミショー展に行きました+旧「麒麟」同窓会蓋(ふた)あけし 如く極暑の 来りけり (星野 立子) 本格的な真夏到来という昨日今日です。まさにこの感じをこの句は謳います。「地獄の釜の蓋があく」とは、盆と正月は地獄の閻魔さま..
-
満員御礼!ヘンリー・ダーガー展+横浜では森村泰昌展、幕開けです。宵山の 京にて京を 忘れけり (松本 邦吉) 現代詩人の松本さん、このところはすっかり新進気鋭の伝統型俳人です。さて昨日7月16日の京都は祇園祭の「宵山(よいやま)」。翌日の山鉾巡行を..
-
横須賀美術館ではヤノベケンジ!+「與門会」では山口昌男氏と大岡信氏朝ぼらけ 水隠(みかく)る蛍 飛びにけり (芝 不器男) 朝靄のなかにしらじらと夜が明けようとするころ、川べりを低く蛍がぼおっと光りながら飛んで行きます。ちょうど梅雨前後の季節には、不器..
-
松涛では大辻清司展+狩野志歩さんのヴィデオアート作品乾坤(けんこん)の たねを蔵して あばれ梅雨 (安東 次男) 九州地方、まさに暴れ梅雨の影響甚大のようです。さてこの句、「平成五年七月三日早曉豪雨、楸邨逝く」と詞書にあります。アン..