記事「詩」 の 検索結果 48532 件
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傷あと彫刻刀で指をきった 右の中指の 第二関節から第一関節まで はりつめた皮膚がさけて 桜色の秘部がひらいて その底に深淵がのぞいていた ぼくはすぐ目をそむけた なにを彫っ..
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石ころ石ころをけった つまずいて すべって 何かの拍子にころんでしまうからではなく ただ邪魔だったから 目ざわりだったから 石ころはころがって池に落ちた 池に波紋がひろがっ..
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玉結び用事がすんで帰る途中に渡された あんたから この玉結び 応か 否か 幾重にもたたんだ紙ひもの その両端に結んだ玉ぶさが問いかけてくる 玉ぶさをまんなかに寄せて ..
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ネズ公ネズ公め 寝ているうちにおいらの腕を噛みやがった 芋をかじったり 屋根裏で運動会をしたってかまやしねえ おいらの見立てじゃさ ヤツはなによりかわいい目をしててさ いつか朝起..
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寒菊によせて寒菊の花ぶさをむしりとって その花びらを一枚つまみます 乾いたその手触りと 香りさえなくした薄い反りに はっとして 思わず手ばなすと 地をはう風に舞いあがります 純白..
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白く塗れ横殴りの雨が白くなって みぞれになって やがて雪になります 空にせっする木々の梢は ほんのわずかだけ 明るい光彩をまとって かすかに揺れています そこからふいと 黒い鳥..
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盗人小咄おめえももう十五 見習いだ きょうはおいらについてきな おっかあ 息子を連れて仕事に行ってくるぜ 「しっかりかせいできな」 木枯らしが舞う寒い夜だ 「おと..
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願かけ大酒飲みのかみさんと別れて 別れてみれば 所在なくて せわしないなことではあるが このあたりで名高い縁結びの仏さまに 願かけをいたしましょう 小心者の旦那と別れて 別..
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バスのなかでバスの窓のそと 小雨が降りつづき 灰色一色の空には濁点が ショ-ウィンドウや道行くひとには半濁点が 数えきれないほど張りついて ときどき 寄り集まって 耐えきれなくて涙に..
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行ってきます行ってきます そう言って部屋を出た 叱られはしないかと また無理難題をふりかけられはしないかと おどおどして 小さな胸をしめつけられて もうがまんできなくて 一瞬..
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にらめっこまあるくなって むかい合って すわって ひいふう みんなに内緒 よおいつ 昔なじみの紫や ななやあ 九つ過ぎに 腰をこごめて 紺がすり どうし..
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12月17日の朝にサムライ そんなもの嫌いだ えばりくさって 建前ばかりひけらかして またお見えかえ 三軒長屋の仮り住まい さんざん甘い汁を吸って出ていったサムライの 後に居座った風来坊を..