記事「詩」 の 検索結果 48532 件
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忘れもの忘れっぽくなった。 あちこち探したメガネはかけていた。 自転車で出かけて、 鍵を忘れて、 急ブレ-キをかけて逆戻りして、 玄関の戸を開けようとしたが、 鍵はかかっていた。 ..
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ある日ある日何もかもが嫌になってしまうのはよくあることだから いたたまれなくて おまえに別れを告げられても コトバはいらない 事実だけをうけ入れよう きのきいたセリフも さよなら..
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一秒一秒 カッチン ペダルを半回転 息を吸って吐く 脈搏数は二回半 自転車のカゴのジャケットのうすい襟がひるがえる カゴの枠が横に光る 地面が吸い込まれていく 白い坂道は上..
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春のまどい水平線におおいかぶさる空の はんぶんは湾外の半島と小島とをのみこんで 黒く驟雨にまみれ もうはんぶんはいかにもはかなく身震いして 灰色に後退する まるで互いにいちじしのぎの争..
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らせん階段階段は中央の柱に螺旋になって巻きついて 壁にはつながらないで吹きぬけになって 首をのばして見下ろすと 順々に手すりと壁が 薄闇に 広がる波紋になって溶けていく 顔を上げると..
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爪ネギをみじん切りにしていたら、 手がすべって、 それとも包丁がすべって、 はっとして、 ぞっとして、 目は包丁や指やネギやまな板からはなれて、 うつろになっていたから、 ..
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花びらきらきらまぶしい雨上がりの朝に 通りの向こう側 公園の桜の樹々から 花びらが粉雪になって 緑の生け垣に そのしたの地下駐車場のコンクリ-ト塀に その奥の暗がりに つぎ..
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木地屋の女あたしは木地屋の女 深山の民 山から山へ渡り歩く 一族はみな血の縁 よそ者ははいりこめない きょうは山を下りる こさえた木の器をかごにつめて 尾根をよこぎり 枯れ草の積..
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木のうえではしごがあったらいいのに ガタのきた自転車を木に寄せて荷台に立って、 ふらふらして倒れそうになりながら、 片手にノコギリを持って頭上の枝をつかむ。 幹とY字になった枝に右足..
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春風風が窓をたたきます。 あけて いれて 夜の残り香を吹きはらうから 夢があたためた虚妄を吹きとばすから でも風は砂をつれてくるのです。 だから窓を少しだけ開けてレースのカ..
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ふりかえるとなにげなくふり返る 路地のかど 植え込みのそば 石垣の塀に寄りかかって スエ-ドのパンプスを組んで 春色のコ-トに風をはらませ けだるそうに たたずむおまえがいる 長い..
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なんてこった暗雲が立ちこめているなんて 言われりゃ そりゃあ気になるさ あいてがまだ五つのがんぜない 子どもの口からでたからってさ その口ぶりがへんにドスがきいててさ 酔いすぎてすわっ..