記事「詩」 の 検索結果 48533 件
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トンボトンボがホバリングしています。 左右の翅は黒い斑点だけがぼやけて浮いて、 体は意固地に、 漸進的に宙を蹴り、 ちっぽけな、 あるかなきかの命を涸らしています。 池の面に影を..
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波打ち際サンダルが沈み せりあがった砂が足をやく 波打ち際で裸足になると 日に晒されることのない足裏は真昼の月みたいに いかにもぼんやりと頼りなげだ 高さを失くした透明な..
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立ちくらみ書架に本をもどして急に立ち上がったら、 立ちくらみにおそわれたのです。 闇をかきまわす手が、 ときに乱暴にわたしを突きとばしたり、 ときにいたわりをこめてわたしをひき寄せたりするの..
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いくたびの夏いくたびの夏か サラバンドの風が読みかけの本のペ-ジをひらく 張りつめた群青色の空に 打ち水がふりかかり ガラスのきらめきになって砕けようとして 幼稚園の園庭には幻の..
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アンフェアセミがないています。 じっと聞いているといつか耳鳴りになって、 搏動にかさなって、 ミ-ンミ-ンと、 いつまでも途切れることがなくて、 わたしを夢にいざないます。 白いシャ..
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ほとばしる夏オレの内部で夏がほとばしる 薄れた過去と かぎりなく狭まっていく未来がせりあげてきて いまこのときを煌めく雫にして めくるめいて おしゃべりが聞こえてくる ..
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池畔からハスの葉が池を埋めつくしています。 風が突然たなごころをかえします。 築山のあたりから要になって、 扇をひらくように、 浅黄色をひとつの扇面にして、 つぎつぎとわたしに迫って..
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霧何か書きしるそうと思ったのです。 時の重みにずるずると押し切られそうだから。 生きていることがとても頼りなげだから。 目も眩むほどの高みで、 孤立して、 地の底から吹き上げて..
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掌紋ギザギザに開いた梢の隙間には薄紅色の空が見えました。 その空から瀑布のように風が落ちてきました。 なんまいもの木の葉を道連れにして。 楢の木かしら わたしはふとめまいに..
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戸惑い手が止まる 足が止まる 心が止まる つらなる文脈が止まる 習性は砂の上に築いた楼閣だったのか 瓦が 調度が 行灯が 垂木が 高速度で写したみたいに宙に舞い上がる 漂..
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ものおもい心のまん前の透明ガラスに雨だれがしたたる それでも内側の明るさはそこなわれることはない 天井からの黄ばんだスタンドライトは外の色彩がどう変わろうと そこかしこに秘めやかな過去..
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灰色の空へ自転車で交差点につっこみながら 信号は赤く染まっているのに それをじっと見つめているのに 止まれでもなく 進めでもなく まして注意せよでもなく カゴのなかのス-パ-のチ..