記事「詩」 の 検索結果 48534 件
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夏の終わりに腕の日焼けがまだらをつくり アイスコ-ヒ-のグラスがくもりを失くし 半袖のシャツが冷たい風をはらみ 薄い夏掛けがせわしなくたぐりよせられて それなのに オレはまだ夏をひきずっている け..
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男と女の時知り合いの番太郎とわかれて角の番屋を出た。 まだ雨は降りやまない。 草履を帯の後ろにはさんでぬかるみに踏み出した。 通りは雨音ばかりで物売りのすがたもない。 誰かに呼ばれたような気がして後ろを..
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病室にてうとうとして、 すぐ間近かで紡ぐ音に横殴りされて、 目覚める。 けれども呪いの声はあげない。 天井から垂れたカ-テンのすぐ向こう側で、 嘔吐のあえぎや、 のどに絡みついた痰を吐きだす咳払い..
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ため息は-あ ついため息が出て 声に出て 思わず後ろをふりかえったら 人影が見えて 少し恥ずかしくなって 足を速めて 風に押し返されて 弱みを見せてもいいのに うん ..
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夏のかたみ夏、 ひとりの少年が桟橋から湖に飛び込んだ。 顔を出すと岸辺に向かっておおげさに片手を振って、 それから水中に消えた。 大きな波紋の花が咲いてしぼんだ。 風はやみ、 朽ちかけたベンチに動悸..
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いつまでの夏まだ真夏の暑さが続いている。 気温は朝から30度を超えてあっという間に汗まみれになる。 冷たいシャワ-を出がけに浴びることが習慣になった。 微風は熱風、 交差点では木立の下がひ..
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まわるホイ-ル自転車の銀色のホイ-ルがまわる 金色の炎を上げて 地面を焦がし 砂煙をあげて カラカラと 子どもたちが群がって後を追う 炎天下の公園で 運命の渦に 意志も自由も愛もまき..
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無神経なひと良かれと思ってしたことを詰られることがある。 デリカシ-がないとか、 口先ばかりとか、 おとといおいでとか。 でも、わかってるんだ。 あんたは、 少しばかりでしゃばりだけど、 口下手だけ..
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黒い鳥ドアがいっぱいに開いて、 あなたは店を出る。 顔は凍りついてひびわれて、 あるいはのっぺらぼうになって、 輝く全能になって。 わたしは、 間近かで放つ芳香にさそわれて、 ちらっと盗み..
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深夜のセミひらいた窓のカ-テンのすきまから、 夜がのぞく。 群青色の下地に、 いくつものほの白い雲を浮かばせて。 夢の続きにまどろみながら、 おもわず手をさしのべようとすると、 遠い異界に、 ..
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痛くて「どんな感じ」と言われて、 戸惑った。 ことばに詰まった。 この感覚に限りなく近づくたとえ。 たとえば、めまい。 見ているものが回るのではなく、 自分自身が際限なく回る。 回りながら..
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くず折れていくくず折れていく姿が見える 真夏の白日がゆっくりコマ送りする カチン 音が消える 道行くひとのまたたきはなく 髪はそよがず張り付きもしない 幌を外した車は急ブレ-キにうろたえ..