記事「詩」 の 検索結果 48605 件
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掌紋ギザギザに開いた梢の隙間には薄紅色の空が見えました。 その空から瀑布のように風が落ちてきました。 なんまいもの木の葉を道連れにして。 楢の木かしら わたしはふとめまいに..
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戸惑い手が止まる 足が止まる 心が止まる つらなる文脈が止まる 習性は砂の上に築いた楼閣だったのか 瓦が 調度が 行灯が 垂木が 高速度で写したみたいに宙に舞い上がる 漂..
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ものおもい心のまん前の透明ガラスに雨だれがしたたる それでも内側の明るさはそこなわれることはない 天井からの黄ばんだスタンドライトは外の色彩がどう変わろうと そこかしこに秘めやかな過去..
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灰色の空へ自転車で交差点につっこみながら 信号は赤く染まっているのに それをじっと見つめているのに 止まれでもなく 進めでもなく まして注意せよでもなく カゴのなかのス-パ-のチ..
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嘘嘘八百をならべたてたら、 ちょっとした揺れで瓦解しそうだから、 飾りにもなりそうもないから、 真実とさしかえた。 隠しておきたい真実を、 順序立てて粛々と、 はにかみ笑いを..
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飛沫飛沫になるまえの弓なりになってたちあがる利休ねずみの波に 遠く城下が見える。 傷だらけのおまえは鮮血をにじませた鉢巻をしめて 折れそうな槍にもたれて ぐいと波のおおいかぶさる寸..
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断線左側が断線したみたいだ。 旋律が流れない左耳が取り残されて、 右耳にとりすがろうとするのだが、 いまこの場で聞こえてくる、 錆ついてぎしぎしきしむ自転車の音や、 繁った葉のこ..
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elsewhereちっぽけな望みだったのに ここではないどこかに elsewhere 町の人ごみをぬって 足早に 海にむかう舗道のショウウィンドウの角を曲がって 自動ドアが開く おまえ..
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花びらいまも鮮やかによみがえる。 おまえはマウンドに立つ。 プレ-トの先のスパイクの踏み込みの土をならす。 だれもが見上げる頂点で。 声をだせ 声で輪をつくれ おまえ..
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心をいやすために通せんぼした鉄柵にレンタカ-のノ-ズをつけてドアを開け つづら折りのアスファルトの山道を見上げ 後ろ手にドアをバタンと閉めて歩きはじめる ひとの姿は見えない その気配すらな..
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遅い春の十時十八分遅い春の堤を歩いていると、 老婆に手をひかれた三、四歳の髪の長い女の子がやってくる。 大きすぎるマスクをかけて、 その純白の光にまたたいた目を、 物珍しそうにあちこち流..
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孤独二両編成の列車の近景には桜が満開だ。 石垣の掘割にしなだれて、 駅前の駐車場を囲んで、 あるいは田畑のさきの杉林のなかにまぎれて。 けれども、 薄紅色の華やぎはその樹下にひと..