記事「詩」 の 検索結果 48605 件
-
忘れもの忘れものを取りに戻った。 ところが、忘れたものは何だったのか、 それを忘れた。 時のフィルムをほんの少し巻き戻してみた。 自転車で大通りをとばしていた。 街路樹のポプラの梢を..
-
いさぎよい線いさぎよい直線を一気にひきたかった。 けれども、筆を持つ手は意のままに動かない。 スタ-トからゴ-ルまで、 空と海のさかいを分かつ水平線のように、 じっと見つめると、 たがい..
-
夜にさまよう夜中に目を覚ました。 心が妙にざわついていた。 枕元のナップザックが目についた。 あすの朝早く出かけるはずだった。 けれども何ひとつ用意していなかった。 近くのコンビニに出かけた。 夜..
-
ありがとうありがとう 夢に押しつぶされた影は地に倒れ 粗い粒子になって にじんでひろがり 思い出のどこに潜んでいたのかも あいまいになって もうわたしのもとを離れてしまったから 寄り添..
-
長い夜ことばが乱れ飛ぶ町の、駅のホ-ムに立って電車を待った。 遅れているのだろうか。 到着時刻はとっくに過ぎているのに。 首筋から、 袖口から、 足元から、 ことばが容赦なく吹きこん..
-
螺旋階段で自問自答の螺旋階段の かわりばえのしない 中空で すっかり疲れてしまって 足を止めても 見下ろせば 銀色のスチ-ルは霞にうすれ いかにも頼りなげで 目眩すらおぼえない 声をあげても ..
-
まよいびとたわんだ電線をくぐって 夕日の赤い影になった鳥を追い かと思えば 舗道の灰色のプレ-トにこびりついた黒い塊に つま先をおしあて あなたは たゆたう風のままに 一歩を踏み出そうとする ..
-
縄文式土器もどきある日思い立って、 縄文式土器もどきを野焼きした。 火が強すぎたのか、 それとも成形がぞんざいだったのか、 粉々に砕けてしまった。 所詮こんなものだ。 翌日、冷えたかけらをひとつ残らず拾い..
-
冬の満月怖くないよ、 強がりでもかまわない。 精一杯、肩ひじ張って。 目を閉じると、 銀色の満月がくっきり浮かんでる。 ひとつだけ、 視力の衰えた右目に。 おそるおそる目を開けても、満月は消..
-
男と女の時男は冷たい情念の雨に打たれ 小さく羽ばたきする 水飛沫は煙って見えない ただ体がぴくっと震えるのがわかる すっかり葉を落とした枝にとまって 橙色の目が虚ろに濡れて 黄色いくちばしから 呪..
-
カラスの勝手ここは喩えのないムラ 曖昧さを嫌う 単純明快なムラ リアルなムラ なにもかも推し量ることのないムラ 科学のないムラ 芸術のないムラ 儀式のないムラ 時代に取り残されて 日溜ま..
-
冷たい酒冷たい酒をぐいと飲む。 悲しさはからだを思いやることができないから、 またカップに口をつける。 しんしんと麻痺がせりあがってくる。 口元から、胸から、両肩から、 悪意を引き連れて、 むしば..