記事「詩」 の 検索結果 48541 件
-
春の海太陽は雲にかくれ、薄れた光がうちにこもる。 水平線は、へんに明るくてまっすぐな紺色の帯をひろげる。 その帯から、けば立ちくもるバラ色の層は、 空の裾がまくれてすれて、 いらだちやけだるさや、怒..
-
朝の混雑腰がおもい。 循環バスに乗ろうと思ったが、朝の光と風に誘われて駅まで歩いた。 いつも早めに出るので、急ぐ必要などないのに信号が変わろうとすると、思わず走ってしまう。 渡りきると、つい胸が上下する..
-
妄想のひらがな2か 薄い板塀におもいきりうちつけた鎌 そのきっ先は板を貫いて そのひょうしに木切れがとんで き 濁流をせき止める あふれた水は曲がりくねって一気に奔流となる なにもかも不毛の地にかえ..
-
不思議町1丁目1番地不思議町1丁目1番地。 ここは広い空き地だ。 以前、華族の別邸があったが、玉音放送をきいたその夜、屋敷に火を放ち一家心中した。 火はときならぬ強風にあおられて町の大半を焼けつくした。 多くの老..
-
妄想のひらがなあ 宙に浮いた十字架がいかにも倒れそうで それでも磔刑の足のあたりにリボンがふんわりかけられて まるまって結ばれたところから互いにそれて斜めにむかい い 薄い三日月はおのれの分身をおのれ..
-
夢の種ズボンのポケットをさぐっていたら、 糸屑にまみれた小さな種が出てきた。 何の種だろう。 庭の片隅にまいてみたら、 いつかかたい殻をやぶり、 子葉はやみくもに地上をめざし、 幼根は黒い壁に穴..
-
悲しみの海へあなたの悲しみの深さをことばではかることはできない。 あふれるほどに波立ち、飛沫がかかるほどの悲しみでも、 はがねのように冷たくはねつける悲しみでも、 成層圏のはるかかなたから飛来して燃えて力尽..
-
藤棚神社の池のそばの藤棚のしたに立つ。 無残な思いにとらわれる。 どこを見ても、芽吹きの気配すらない。 樹皮の薄緑の斑紋や銀色の傷はいたいたしく、 行き場をなくして息絶えたかに見える枝は内側を光に..
-
あしたからあしたから仕事再開だ。 家を出ると舗道を眺め、樹木を眺め、空を眺める。 駅の構内では目を虚ろにする。 電車内では音楽を聴き活字を見る。 もちろんそうやってばかりもいられない。 ひととの苦..
-
孤独今日も何か書こうと思った。 めずらしい。 寒いので頬かむりしていたいのに。 まるで何か悪いものにあたったみたいに心のなかを吐きだしたい。 テ-マは? 『孤独』 うん、らしい。 ひとり、よ..
-
漂流漂流して3日目だった。 遠くに波頭から消えてまた波頭に立つ小舟が見えた。 最後の力を振り絞って、小舟にたどりついた。 やあ、助かったぜ。拾いものの命じゃあるけれど。 けれども誰ひとり顔..
-
匂い桜夜、冬の雨が窓をたたく。 カ-テンを開いて外を見る。 三叉路に立つ街灯のよわよわしい光の束が、 銀色の粒子の煌めきをおとして小さな楕円形のみずたまりをつくり、、 せわしない心の鍵盤をたたく。 ..