記事「詩」 の 検索結果 48605 件
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高台から見知らぬわたしに語りかけるあなたは 悲しみの海をかかえているのでしょうか さりげなさをよそおって わたしを直視するでもなく うかがうでもなく ほんの少し首をかしげて つぶやくように 歌う..
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あじさいの花あじさいの花は鮮烈に心にはりつく。 精妙な色彩をたたえ、矩形にしっくりとおさまって、 まるでもう引きはがすことなどできないように。 あじさいに切り取られた心の余白もまた、 お寺の山門をくぐ..
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喪失ショ-ウィンドゥにうつる自分をふと見つめると、 過去の記憶が波打っている。 上着もズボンも下着も、 靴も腕時計さえも、 あっというまに波間に消えるのがかいまみえる。 あわててその場を離れて、..
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信号無視交差点を渡っているとき、わたしが向かう通りから大きな声がきこえてきた。 そこにはバンが止まっていた。 そのバンに向かって、自転車に乗った若い外人がなにやら叫んでいた。 『ファック』ということばだ..
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男と女の時男はバスを降りてまばゆい光に手をかざす。 まがった小指と伸びた薬指のあいだから、 日傘をさした女が現れる。 胸元からうえを藤色のシェ-ドでかたどって、 今を腐食させる過去の毒液にさいなまれ、 ..
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家をでて家を出て路地をまっすぐ行って狭いバス通りに出る。 そこを左に曲がる。 白線の手前の側溝のふたが音を立てる。 橋を渡る。 海に流れる川は干潮のため一部黒い地肌をのぞかせる。 コイがなめらかにお..
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妄想のひらがな3さ たすきがけの背中 右にさした刀の重みで黒い帯は右側が少しさがる 左ぎっちょのはんぱな渡世人の命はいかにも軽く それでも前のめりに倒れる し 着物姿の女性のたおやかな正坐 膝で割れ..
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落花真紅のバラの花にそっとふれた。 すると花びらがはがれて落ちた。 そっと、 心をこめて、いつくしみをこめて、 花のしずくが指先からしみ込んでくる、 そのむずがゆさにとらわれて、 そっとふれた..
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やりきれなさ改札口を出る。 この人混みのなかのやりきれなさはどこからくるのか。 手垢にまみれた過去のページをめくっても、 乾いた音がさらさらと耳をうつばかりで、 過去と過去をあやうくつなぎとめる綴じ紐は赤..
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コ-ヒ-を飲んでいたらコ-ヒ-を飲んでいたら、斜め前の席にいたサラリ-マン風の男が急に振り返り、 「なんだ、このヤロ-」と口汚く大声をはりあげた。 そのあとは聞き取れない。 店内のだれもが驚きにつつまれた。 男の目..
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影法師記憶はいつも新しい。 生皮を引きはがすようにひりひりと、 月下の白と黒のせめぎあいのなかで、 息をひそめ時をきざむ幼いおまえをよみがえらせる。 最終列車がとまるところから記憶は扉を開く。 ..
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午前1時55分の訪問者真夜中に男が部屋に現れる わたしの枕もとに立って 白くぼんやり闇に浮いた顔をわたしにむけて さぁ 目を覚ませ 忘れたのか 怨念を わたしは時計に目をやる 午前1時55分 訪問者..