記事「詩」 の 検索結果 48605 件
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岸辺にて多摩川の左岸のコンクリ-トの階段にすわる。 斜め上にふたつのア-チをかけた鉄橋の影がせまり、 車の騒音をふりまく。 正午間近の日は少しずつけだるさをつのらせる。 山系をかくした空の底は銀色に輝..
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花と散る花と言えば桜というほど、桜の花はわたしたちの心を魅了してきた。 桜を詠った歌も桜にまつわる話も、枚挙にいとまがない。 かすみがかった青空をきりとって、 花の幾重ものつらなりは光に映えてピンクの影..
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ひとり芝居コ-ヒ-を飲んでいると、男が隣の席で何やらぶつぶつ言っている。 イアホ-ン越しのせいか、よくは聞こえない。 むしろあまり聞きたくはないので、音量を上げる。 それで思い出した。 もうずいぶん..
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祭りばやし水道の蛇口をひらく 祭りばやしがきこえてくる 笛の音がグラスにあふれる こぼれて手を濡らす 太鼓は連打して腕をつたう 鈴の音はグラスの底から気泡となってあがってくる 耳をすましては..
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男と女の時危険だわ ああ、多分な それを承知でやるというわけ ああ、はねかえしてみせるさ 中央に植え込みのある車道ををはさんで、 男と女は囁きあった。 女は側壁のある石畳の歩道にたち..
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爪切り爪の伸びがはやい気がする。 ちょっと前に、切ったばかりのはずなのに、 もう伸びている。 けれども、 ちょっと前は、ほんとうにちょっと前なんだろうか。 そうではなくて、時の経つのがはやすぎるか..
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ちっぽけな記憶いくつだったろう。 紺の半ズボンをはいて白いズック靴をはいて、 わたしは牡丹の花の下にいた。 数本の万年青が足もとに植わっていた。 わたしはそこにすわりこんで、 はいだしてきたダンゴ虫やアリ..
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雨に濡れて雨が降りそうだ。 予報も曇りのち雨のち晴れ。 雲が早い。 玄関でちょっと迷う。 歩こうか、バスに乗ろうか、それとも自転車にしようか。 でも心はきまっている。 自転車にまたがる。 ゆったり..
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春の海太陽は雲にかくれ、薄れた光がうちにこもる。 水平線は、へんに明るくてまっすぐな紺色の帯をひろげる。 その帯から、けば立ちくもるバラ色の層は、 空の裾がまくれてすれて、 いらだちやけだるさや、怒..
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朝の混雑腰がおもい。 循環バスに乗ろうと思ったが、朝の光と風に誘われて駅まで歩いた。 いつも早めに出るので、急ぐ必要などないのに信号が変わろうとすると、思わず走ってしまう。 渡りきると、つい胸が上下する..
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妄想のひらがな2か 薄い板塀におもいきりうちつけた鎌 そのきっ先は板を貫いて そのひょうしに木切れがとんで き 濁流をせき止める あふれた水は曲がりくねって一気に奔流となる なにもかも不毛の地にかえ..
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不思議町1丁目1番地不思議町1丁目1番地。 ここは広い空き地だ。 以前、華族の別邸があったが、玉音放送をきいたその夜、屋敷に火を放ち一家心中した。 火はときならぬ強風にあおられて町の大半を焼けつくした。 多くの老..