記事「scenery」 の 検索結果 226 件
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粉雪の並木道 -First Scene-国道から少し西に入れば いつもの並木道 今年最初の粉雪が 舞い落ちて消えてく 鉛色に染まる空はまるで アスファルトの街の一部 鏡の向こうの世界の色 そう思って少し肩をすぼめた..
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梅はまだか足元おぼつかぬままに 太鼓橋を上りきって 欄干の紅に手をかけたところで 君を思い出した 境内の焚き火を見つめ 炎の温もりに手をかざす その頬に紅が差していたのは 風の冷たさゆ..
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蝋梅蝋梅の淡い黄色が 冬の空の浅い蒼に咲く 手を伸ばして指で触れれば 今にも色が混じりそう 思えば人の優しさは 時に疎ましさと入り混じり 何を信じて何を愛せばいいか わからな..
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鏡が池ひっそりと静かな水面なら 景色を切り取れる わたしの心も あんなふうならいいのに たおやかに色づき散ってゆく 紅いもみじのように ひっそりはっきり 染められればいいのに ..
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水鳥秋の長雨に 煙る空の端を 白い鳥が一羽 二羽 切り取っていく 絶えることない 風の生まれる場所 そこからなら見えるのか 教えて欲しい 夢は夢のままで 君も..
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雪起こし雪起こしが鳴り渡る 波頭にもうすぐ 白い花が降る 砕けては引く潮はまるで 人の世の無常を 告げて去るようで 喜びと悲しみを繰り返し 愛と憎しみを織りながら ..
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揺れる心恋しきは 人の常 哀しきは 世の常 もどかしく 侘しく 例えようのない日々 書きかけの 恋文 宛名なき 便箋 寒々と 福寿草 たなごころを開く 過ぎ行く..
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ななかまど ~陽だまりの中で~ななかまどの赤い実が 庭を染めている 色浅い秋の日を 着飾っているみたい 夏の日には白い花 涼しげに纏い 陽炎に揺らめいて 空を支えていたのに ほら 君がく..
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暗闇坂秋の麗な日差し浴びて 暗闇坂を一人辿れば 冷たく少し湿った風と その途中で擦れ違う 秋の八千草揺れる原に ひとりぽつねんと立つ古木 松の荒い木肌に手を当てて 通り過ぎる人..
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落葉紅葉落葉紅葉をひとつ手にして 鮮やかな命の色を眺めた 紅葉色としか言いようのないその色は けれど枯れながら変わって行く 時の流れは見えないけれど 落ち葉の色を変えることができる 彩..
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滲ませない冷たすぎる秋風に 溜息のベルが鳴る 去来する思い出に 瞳が揺れる ガラス越しに重ねてた 掌が動き出す 燃え残りの言葉たちが 足元にうずくまる 時のメビウスの..
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通り過ぎてゆく日々を海岸線の形に沿って ハンドルを切れば 景色は右に左に 絶え間なく揺れる わずかに開けた窓からは 潮騒が香る 砕ける波頭の白は 冷たい冬の予感 通り過ぎてゆく日々..