記事「scenery」 の 検索結果 226 件
-
大きな花束それは ある春の夜のことで 週末の電車に揺られて 家に帰る途中で 大きな花束が 隣に座った 車内の空気が 花の香りに縁取られて 思わず一言 「いい匂い..
-
Silent in the Wind風の中の静寂 音があるのに音がなく その音は静寂であり 色があるのに透明で その色はうるさくなく それが 風の中の静寂
-
小さな風景画小雨に濡れた夜の静寂 寄せては返す夜の波の中に 街灯の描く白い輪郭線 白く塗りつぶされた 夜ではない空間 夜から切り取った 小さな空間 そこに 早咲きのツツジ 一..
-
水面花 (みなもばな)白鷺の 堀の水面に桜咲き 月はおぼろに 霞む夜 水鳥が起つ さざ波に なびきそよぐは 逆さ花 散りつつも なお 花の宴 白鷺に咲く 水面花
-
花天月地の夜夜更けの風が オリオンを揺らす 花天月地 (かてんげっち) の 夜は冴え 淡い桜よ 淡い月影よ 夢見るように 咲き競い ひとひらの 花びらとなれ 行..
-
空に空に手が届かない 青い透明に手が届かない 大きく掌を広げているのに 空に手が届かない 青い透明に手が届かない 東京タワーのてっぺんにいるのに 届かないなら 呼べば..
-
比良八講湖面波立ち 風に舞い 法螺の音響く 春霞 通う恋路の 九十九日 水も冷たき 百日目 山より出づる 清流の 水収めたり 修三会の 湖国に伝う 物語 比良八..
-
二年坂二年坂 登れば 仄かな夢灯り 風に揺れ そぞろ歩くは 人の影 石畳の面影 それもまた夢 あなたを慕うは 恋心 おぼろに雲を着る 春月の むせび泣く夜に 桃の花 咲き乱れて..
-
NIGHTFALL降りてくる 降りてくる 黄昏が 降りてくる 風が 藍色に染まり 夜の足音が 降り注ぐ 高層ビルが 明かりを灯し 宝飾店のウィンドウが 煌びやかになる ..
-
桜月月のおもてに 霞立ち かすかに匂う 花のよう ただおぼろげに 風に揺れ 遙か見渡す 春の月 まだ明け切らぬ 東雲の 小手毬草に 星の露 淡く色づき あどけ..
-
白線流し時の流れは まるで大河のようだ 年老いた彼は そうつぶやいた その大河の一滴は 確かに儚いもので それでも その一滴は大河を成すと ぼんやりと 花霞に包まれるように ..
-
弥生の月、桃別れ際の雪 去りゆく季節の 月がこぼす光に 青白く浮かんでいる 「いつまでも」 と誓い合った あの約束も 去りゆく季節に いつしか奪われて 指折り数えて 待ちわび..